ごあいさつ

このたび、6月10日に当研究会理事会の推挙をいただき、理事長に就任いたしました。どうぞ宜しくお願い申し上げます。
日本型金融ビッグバン検討時に訪れた証券界隈を四半世紀ぶりに当時を思い出しながら、散策してみようと思っています。
最近の月例経済報告では、「雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されるが、米国の通商政策の影響による景気の下振れリスクが高まっている」とされています。加えて多くの地政学リスクも懸念されます。国内においても引き続いての人口減少と高齢化の進展、社会保障や財政の持続可能性等多くの課題に直面しています。これらの解決には国をあげての総合的な、ねばり強い対応が必要とされます。
その中にあって、社会的インフラとして位置付けられる資本市場の役割は、ますます重要になってきていると思います。健全で安定的な市場にすべく累次にわたり各種の制度・枠組みが構築されてきました。策定の背景・ねらいを踏まえ、それらを適正に運用していくことはもとよりですが、さらなる透明で利便性の高い魅力に富んだ市場を形成すべく、官民あげて見直し・改革に向け、検討が進められています。資産運用立国を実現し、日本が抱える諸課題に対しての一つの処方箋となることを期待しています。
検討にあたっては、証券界はもとより各界の資本市場関係者の連携・協力のもとに、大局的見地に立って幅広く調査・研究等を進め、改革の大きな方向について意識の共有を図っていくことが重要です。
設立後40年を迎えた公益財団法人資本市場研究会は、今後とも、内外の資本市場の環境変化に対応した調査・研究、提言・広報、研修事業等を積極的に進め、わが国資本市場の健全な拡大・発展に鋭意努力して参る所存であります。
何卒、引き続き各方面の皆様のご指導、ご鞭撻とご支援をお願い申し上げます。
令和7年6月
理事長 藤井 秀人