ごあいさつ

2022年7月現在、世の中は混沌としております。2月にロシアがウクライナ侵攻を開始、欧米各国がウクライナを支援するも事態が収拾する見込みが立たない中、エネルギーや食糧不足が表面化しております。他方、米国FRBが予想を大きく上回るインフレを終息させるべく金利引き締めスタンスに転換、ECBも追随して利上げする一方、日銀は物価上昇や円安を認めつつも金融緩和を続けようとしています。新型コロナは、世界的にオミクロン株が変異して流行終息の兆しが見えず、日本でも過去2年と同じく、6月末頃から8月上旬にかけて新規感染者数が急拡大しておりますが、政府は特に行動制限を設けず、国民の自主的な感染対策に委ねています。
そのような中、IMFは2022年の世界経済見通しを前年の6.1%から減速して3.2%と予想していますが、米国株式は最初の新型コロナ感染拡大時に2020年2月から3月にかけて下落して以来、ほぼ上昇を続けています。
資本市場では、ESG投資拡大が加速する一方で、ウクライナ情勢によりESG投資の在り方が問われそうです。ロシアへの依存度によってエネルギー問題への対処の仕方が変わるため、環境問題への取り組み方が異なることにもなりかねません。
4月には日本では60年ぶりに証券取引市場再編が行われ、特にプライム市場の上場企業は投資家に対してESGの考え方の開示にまったなしです。
このように、引き続き混乱の最中ではありますが、よりよい世の中となるための一助となるべく、当資本市場研究会は今後も証券界、金融界、産業界、学界等の関係者との連携、協力の下で有意義な調査・研究、提言・広報活動を積極的に進め、わが国資本市場の健全な拡大・発展に一層の貢献をして行く所存であります。
何卒、引き続き各方面の皆様のご指導、ご鞭撻、ご支援をよろしくお願い申し上げます。
2022年7月